2021年11月6日(土)、国土交通省、東京都江東区、警視庁の方々とともに、荒川右岸清砂大橋付近にて、荒川を走るサイクリストに向けて、マナーアップチラシの配布活動を実施しました。
 その様子をレポートします。

理事:坂田良平

 
 

コロナ禍における、荒川の自転車事故状況

 
 新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、私どもグッド・チャリズム宣言プロジェクト(以下、グッチャリ)は、マナーアップチラシ配布活動を控えていました。今回の活動は、1年ぶりとなります。
 最近の荒川における自転車事故の発生状況について、国土交通省荒川下流事務所の方に伺いました。
 
 今年に入ってから、ロードバイクが関係した大きな事故が2件あったそうです。
 ともに、夜間に走行中、緊急用河川敷道路の各所に設置されている車止めに衝突した事故とのこと。お一人は、残念ながら命を落とされ、もうお一方も重症を負ったそうです。
 とても悲しく、そして残念でなりません。同じ荒川を愛する者として、お亡くなりになった方のご冥福を心からお祈りします。
 
 接触等の事故は、相変わらず頻繁に発生しているそうです。
 マナーアップチラシ配布当日にも、小松川のあたりでロードバイクが絡んだ事故が発生していたという目撃情報がありました。また、チラシ配布時にお話を伺ったサイクリストからも、荒川を走るたびに、事故を目撃するといった声があったことも付記しておきます。
 
 昨年のことではありますが、野球少年とロードバイクが接触、少年に大怪我を負わせたという事故がありました。
 この話は、またたく間に少年野球関係者に広がっていました。
 私見ですが、このような話がサイクリストの間に広まっておらず、教訓として活かされていないことはとても残念です。
 
 国土交通省荒川下流事務所には、これも変わらずロードバイク乗りに対するクレームが寄せられているとのこと。
 「歩いていると、すぐそばを猛スピードで走り抜けられ、とても怖い思いをした」「子どもに対し、『邪魔だ、どけ!!』などといった罵声を浴びせられる」──このような心無いサイクリストが、残念ながら今もまだ存在するそうです。
 
 

荒川はサイクリングロードではない

 
 あらためて申し上げますが、荒川下流部に「荒川サイクリングロード」なるものは存在しません。
 一部の方が言っている、「荒川サイクリングロード」は、荒川緊急用河川敷道路であって、サイクリストのための専有道路ではありません。
 
 もうひとつ、国土交通省から指摘されたのは、道路と名を冠してはいるものの、荒川緊急用河川敷道路は、一般的な定義での道路とは異なるという点です。
 荒川緊急用河川敷道路では、道路の延伸方向(荒川の流れに沿った方向)を通行する人・自転車に通行優先権はありません。子どもが荒川緊急用河川敷道路を横断する可能性、野球場からボールが飛んでくる可能性、散歩中の方々が突然進路を変更する可能性などを踏まえ、常に周囲に注意をはらい、安全を確保できるスピードで荒川を走行しなければならないことを、サイクリストはあらためて肝に銘じて欲しいとのことでした。
 
 

活動当日の様子

 

 
 澄み切った青空のもと、荒川右岸清砂大橋付近にて、マナーアップチラシの配布活動を実施しました。
 参加したグッチャリメンバーは5名。国土交通省荒川下流事務所、警視庁、江東区の方々も合わせ、総勢20名ほどが集まりました。
 
 マナーアップチラシ配布活動を続けていると、強行突破を図り、チラシを受け取ってくれない方、私どもの活動に不快感をあらわにする方もいます。しかし、今回はとても少なく、ほとんどの方が、私どもの話に耳を傾けてくれました。「応援します」「頑張ってください」と声を掛けてくださる方も多かったです。
 
 
 荒川におけるサイクリストの意識は、数年前に比べ大きく向上していると感じます。
 ただしごく一部ではありますが、安全や共存に対する意識が低く、傍若無人な振る舞いを行うサイクリストが残っていて、それがサイクリスト全体への悪印象へとつながっているのでしょう。
 
 荒川には、さまざまな方がいらっしゃいます。
 散歩をする人、子どもを遊ばせに来た親子、野球・サッカー・ラクロスなどのスポーツを楽しむグループ、そしてサイクリスト。
 誰もが等しく荒川の豊かな自然を楽しむ権利があり、お互いの権利は尊重され、そして共存しなければなりません。
 
 荒川を楽しむ仲間の輪に、私どもサイクリストが加わり続けるために、今後もグッチャリは、マナーアップチラシ配布活動を継続していきます。
 

 
 
 

今後のマナーアップチラシ配布活動予定

※雨天等により中止・延期の可能性があります。最新情報および詳細は、以下リンク先のFacebookイベントページをご確認ください。

 
 興味がある方、ぜひ私どもの活動に参加していただけませんか?
 最初は慣れないかと思いますので、当団体理事らと一緒に声がけを行いましょう。
 皆さまのご参加をお待ち申し上げます。
 
 
 

当日の活動場所