不定期で「理事のつぶやき」をお送りしています。
第17回目はサイクリストたちによる多摩市の「いろは坂」清掃活動についてのお話です。
2021年12月11日(土)、サイクリスト有志による東京都多摩市桜ヶ丘の「いろは坂」清掃活動が行われ、グッチャリからも理事1名(黒木)と賛助会員2名が参加しました。
この活動は「東京2020応援プログラム」として認証を受け、2019年には50名近い数の参加者が清掃活動を行いましたが、昨年はコロナ禍により中止となり(一部有志のみで清掃)、2年ぶりの開催となりました。
今年は新型コロナウイルス感染対策もあって大々的な呼びかけは行わず、発起人である中山 沢(なかやま たく)さんと守分 雄治さんが監督を務める自転車チーム「FORCE」のメンバー、そしてその仲間たち約20名が、全員マスク着用、ディスタンスを保つ等の感染対策をしたうえで集合場所である「いろは坂さくら公園」に集まりました。
※2019年の模様と活動の詳細については、こちら → https://good-charism.com/archives/2648
「いろは坂」は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩10分ほどの場所にあり、距離700m、平均斜度8%ほどのつづら折れのほどよい(人による?)坂は、競技志向のサイクリストにとってはトレーニングに最適なコースです。
また、眺めも良く、春は「桜が丘」の地名の通り桜が美しい多摩地区のサイクリングでも定番のコースとなっており、休憩をはさんで約3時間の清掃活動中も多くの自転車が通り過ぎていきました。
そして、ここは、坂を上り切った住宅街にある「耳すまロータリー」などアニメ「耳をすませば」(スタジオジブリ)のモデルとなった場所で、アニメファンたちが聖地巡礼しています。
土曜日ということもあり、清掃中もそれらしい人たちが何名か階段を上っていきました。
いろは坂の清掃はゴミを拾うというよりも道路や階段上の大量の落ち葉を回収することがメインとなります。
自然のものなので放置しておいてもよいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、アスファルトに積もった大量の枯れ葉には行き場はなく、自転車だけでなく歩行者にとっても滑って危険ですし、そして、何よりも景観が良くありません。
この松や杉のやっかいな落ち葉を皆で協力し合って除去するのですが、多くのサイクルウエアを着た人たちが坂道や階段に張り付いて清掃する光景は壮観で、自動車やバスの乗客、通りすがりの住民、坂を上ってきたサイクリストたちの目を引きます。
清掃中に通りかかる地元の方から「ありがとう」「頑張ってね」とお声がけいただき、バスの運転手さんも徐行して手を挙げて挨拶してくださいます。
数年前に中山さんがひとりで始めた清掃活動は確実に地域社会に浸透しています。
以前は、練習をしていて警察に通報されたり、自転車を問題視するような発言が自治会で出たこともあるそうです。
その時に、いろは坂の上にある居酒屋のマスターが清掃活動のことを知っており、『あの人たちは、ちゃんとした人たちだよ!』と擁護してくれたそうです。
残念ながら、交通ルールを無視し、道路を傍若無人に走る自転車はたくさんいます。
特に他所から来て集団で疾走するロードバイクは(きちんと走っていても)世間から手放しで歓迎されているわけではないのが実情です。
サイクリストが社会から理解を得ること。
そして、走らせていただいている地域の皆さんと共生していくこと。
これは、グッチャリが行っている活動とも共通します。
最近、個人的に「自転車で地域貢献したいが何から始めればよいかわからない」という質問を受けることがあります。
私はこの「いろは坂清掃」やグッチャリの荒川クリーンエイドさんとのコラボ活動の例を示して「まずは、お世話になっている道路をキレイにすることから始めてみてはどうだろうか?」とお話しています。
そして、いくら良いことをしていても普段からしっかりと交通ルールを守っていないと意味がありません。
こういった地域貢献の活動を各地で行うことと同時に、一人一人がルールを守り、マナー良く行動することで自転車に対する社会の目も変わっていくのではないでしょうか。
来年も、より多くの仲間たちと一緒にいろは坂清掃に参加したいと思います。
理事 黒木